二日酔いにハイチオールCが効く
ハイチオールCは美白・美容で広く知られる医薬品(第3類)ですが、 二日酔いにも非常に効果が高い商品です。理由はハイチオールCに含まれる成分にあります。
このハイチオールCに含まれる二日酔い予防の有効成分である「Lシステイン」は、他の二日酔い予防薬とはそのメカニズムが異なることから、 他の二日酔い予防薬で効果がなかった人のほか、 ハイチオールCと他の予防薬を併用することで、 より二日酔いになりにくく、また、二日酔いの症状をより早く改善してくれます。
ここではハイチオールCがなぜ二日酔い予防に効果があるのか、 より効果的な飲み方、ハイチオールC製品の比較について紹介しています。
なぜハイチオールCが二日酔いに効くのか
ハイチオールCが二日酔いに効果があるのは、 その主成分ある「Lシステイン」と日本人のお酒に対する「体質」です。主成分であるLシステインが二日酔いに効く
ハイチオールCの主成分はLシステイン、 アスコルビン酸(ビタミンC)、パントテン酸カルシウムの3つですが、 このうち二日酔いに効果のある有効成分はLシステインで、 アルコールの代謝によって生じる毒性のあるアセトアルデヒドの分解を早める(助ける)働きがあります。
Lシステインの二日酔い・お酒に対する効果
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Lシステインは体内のアセトアルデヒドの分解速度を早める働きがありますが、 このメカニズムは他の二日酔い予防薬と完全に異なります。
他の予防薬は、体内の酵素ALDHを増やすことで、アセトアルデヒドの分解を促進しますが、 Lシステインは生体内でアセトアルデヒドそのものと化学反応するためです。
正確には、 Lシステインは毒性のあるアセトアルデヒドと共有結合し、 無毒の「2-メチルチアゾリジン-4-カルボン酸化合物」に変化します(※1)。
この削減効果は、水溶液中で41.3%、ヒトの血液中で47.0%、 アセトアルデヒドを減少させました(※2)。
また、二日酔いの症状の一つに身体の疲労、だるさがあります。
エスエス製薬によると、ハイチオールCは「全身倦怠」にも効果があるため、 翌朝の疲労、だるさを緩和してくれます。
詳しくはLシステインの効果をご参照下さい。
参考:
※1:2009年 Peana,AT(イタリア サッサリ大学)「L-システインによるエタノール由来アセトアルデヒド誘導性モチベーション特性の削減」
※2:1990年 日本 S,Tsukamotoら「マウスにおいて急性アルコール中毒に対するアミノ酸の効果:血液や組織中のエタノール、アセトアルデヒド、酢酸、アセトンの濃度」
※1:2009年 Peana,AT(イタリア サッサリ大学)「L-システインによるエタノール由来アセトアルデヒド誘導性モチベーション特性の削減」
※2:1990年 日本 S,Tsukamotoら「マウスにおいて急性アルコール中毒に対するアミノ酸の効果:血液や組織中のエタノール、アセトアルデヒド、酢酸、アセトンの濃度」
体質的な弱点アセトアセトアルデヒドの分解能力を補う
日本人は遺伝的に二日酔いの主原因であるアセトアルデヒドの分解能力が弱い人が多くなっています。理由はアセトアルデヒドを分解する脱水素酵素(ALDH)の活性、分泌が弱いためです。
アセトアルデヒドについては肝臓のアルコール分解の仕組みをご参照下さい。
その結果、アルコールの分解は終わっているにも関わらずアセトアルデヒドが体内に残るため、 二日酔いの原因となります。
一方、ハイチオールCは、このアセトアルデヒドの削減に、 肝臓での酵素(ALDH)を必要としないため、 生体内からアセトアルデヒドそのものを減らし、 肝臓でのアセトアルデヒドの分解量(負担)そのものを減らしてくれます。
二日酔いにどれくらい効果があるのか
理論値ではあるものの、ハイチオールCは二日酔いの時間を半分に削減してくれます。上記研究によると、Lシステインのヒト血液中での削減能力は47.0%です。
この数字を利用すると、 ハイチオールC摂取後(摂取直後からアセトアルデヒドの削減が始まったと仮定した場合)、 半分の時間で体内からアセトアルデヒドが除去されることを意味します。
これは、24:00頃までお酒を飲んだ時に、 翌日お昼の12:00頃まで二日酔いの症状が出ていた人の場合、 ハイチオールCを就寝前(24:00頃)に飲むと、 翌日の6:00には、アセトアルデヒドが体内から消えていることを意味します。
ハイチオールCの効果的な飲み方
ハイチオールCはアセトアルデヒドの削減能力が非常に高くなっているものの、 人、趣向によって効果的な飲み方は異なります。飲むタイミング
ハイチオールCの主成分であるLシステインは、 禁酒の治療にも利用されます。これはLシステインが「酔う」という症状そのものを打ち消すためで、 お酒を飲んでも酔わない、あるいは楽しくないため、 禁酒を補助することを意味します。
そのため、ハイチオールCを飲酒前に飲むと、 アルコールを飲む楽しみが奪われるほか、 人によっては「酔い」を求めて、 いつも以上に深酒の原因となってしまいます。
そのため、お酒を楽しみたいが、二日酔いになりたくない人にとっては、 飲酒後(就寝前)に飲むことが効果的です。
より正確に翌日に影響しない時間を計算するには、 アルコール計算機~分解時間と血中濃度~をご参照下さい。
一方、お酒の楽しみ(酔い)は求めず、 付き合いなどでどうしてもお酒を飲まなければならない場合や、 もともと体質的にお酒に弱い人の場合は、飲酒前、飲酒中に飲むのが効果的です。
他の成分と併用するとさらに効果的
ハイチオールCの主成分であるLシステインは、 アセトアルデヒドの削減能力に非常に優れるものの、 単独で摂取するより、他の栄養素と合わせるとより効果的です。
ハイチオールCと併用して二日酔い予防効果が高くなる栄養素
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海外で行われた研究(※詳細はLシステインご参照)によると、 90%の確率で死亡するほどの大量のアセトアルデヒド投与に対して、 Lシステイン単独では80%の保護率(20%は死亡)であったのに対して、 Lシステインとチアミン(ビタミンB1誘導体)の組合せは、 100%の生存率になるほど、アセトアルデヒドの毒性から生命を守る効果があリました。
また、他の研究でもLシステインとチアミン、ビタミンC(アスコルビン酸)の組み合わせは、 アセトアルデヒドの毒性を有意に減少させました。
他の二日酔い予防薬との併用でさらに効果的
ハイチオールCのアセトアルデヒド削減のメカニズムは、 他の栄養素と完全に異なります。そのため、 二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解能力を高める他の栄養素と併用すると、 より素早くアセトアルデヒドを分解し、体内から排除できる効果が期待できます。
アセトアルデヒドの分解を促進する他の栄養素
ハイチオールC製品比較
ハイチオールCはLシステインの含有量が異なるいくつかの種類が販売されています。Lシステイン含有量:6錠中240mg | |
Lシステイン含有量:4錠中240mg | |
Lシステイン含有量:1錠中500mg ただし粒が大きいため、注意 |
ハイチオールCは飲酒前に購入
ハイチオールCは第3類医薬品です。そのため、コンビニエンスストアなどで販売が許可されているものの、 店舗によっては取り扱いがない場合があります。
一方、薬局の多くはハイチオールCを取り扱っているため、 二日酔い予防にハイチオールCが必要な場合は、 飲酒前に薬局で購入しておくほうが安心です。
またハイチオールCはドリンクタイプも販売されています(販売名:エスプラスEC)が、 残念ながら二日酔いの有効成分であるLシステインは含有されていませんので、ご注意下さい。
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