二日酔いの予防・防止は飲む前から

二日酔いの予防は飲む前が大事

二日酔いの予防・防止は事前の対策をしておけばその多くを防ぐことができます。 しかし、事前に予防・防止の準備をしておかないと、後でいくら対策をしても二日酔いを予防することはできないかもしれません。

なにより二日酔い予防の準備をするだけで飲酒中も非常に気分良く、悪酔いせず、長くお酒を楽しむことができます。
ここでは、二日酔いの予防や防止のためにすべきこと、方法、効果などについて紹介しています。

なぜ飲酒前の予防が大事なのか

なぜ飲酒前が二日酔い予防・防止に大事なのか
二日酔いの原因は様々です。
単純にこれをすれば完全に二日酔いの予防になる、二日酔いを防止できる、というものは今だ解明されていません。
(二日酔いの原因の多様性については二日酔いの原因と治し方をご参照下さい。)

しかし、ビール1杯を飲む場合でも、飲み方一つで二日酔いになりにくくなります。
アルコールはゆっくり吸収されると二日酔い予防になり、アルコールが急激に体内に吸収されると二日酔いの原因となります。

つまり少しでも吸収を遅くすることが二日酔い予防・防止には重要です。
それはちびちびとゆっくり飲むだけではありません。
アルコールの吸収速度は飲酒前に対策することで遅くすることができます。

ではなぜアルコールが急激に体内に入ると二日酔いしやすいのか、どうすればそれを防止できるのでしょうか。

飲酒前の空腹を避け二日酔いを予防・防止する

アルコールの吸収を遅くすることは、即効性が高く、飲酒前からできる効果の高い二日酔い予防・防止策です。
空腹はアルコールの吸収を早めるだけでなく、以下の症状を起こすことで二日酔いの原因になります。
  • 血中アルコール濃度のピークを早める
  • 血中アルコール濃度が高くなる
  • 低血糖症を早める

空腹が引き起こす症状

空腹 空腹でない
血中アルコール濃度のピークが早くなる
(30分~1時間程度でピークとなる)
血中アルコール濃度のピークが遅くなる
(1時間程度~でピークとなる)
空腹の場合、胃や腸からより多くのアルコールが、より早く吸収されます。
理由は他に吸収すべき栄養がない為、アルコールのみを吸収するからです。
その結果、血中アルコール濃度のピークが早まり、二日酔いや気分が悪くなる原因となります。
血中アルコール濃度が
高くなる
血中アルコール濃度が
低くなる
同じ量のお酒を同じペースで飲んだ場合でも、空腹の方が血中アルコール濃度のピークは高くなります。
短期間に一気に血中アルコール濃度が高くなりアルコールの分解がそれに追いつかないからです。
低血糖症を早める 低血糖症を遅める
通常、飲酒によって引き起こされる低血糖症(二日酔いの原因の一つ)が、飲酒前から引き起こされます。 理由は肝臓のグルタミン貯蔵量が食事をしないことで枯渇してしまうからです。
(肝臓はグルタミンを貯蔵していますが、その貯蔵量は少なく食事を取らないと8時間程度で枯渇してしまいます。)
その結果、飲酒後に起こる低血糖症が飲酒前から始まり、二日酔いになりやすくなります。

空腹を避けるだけで、上記3点を予防することができます。
飲酒前の空腹を避けることは二日酔いを予防・防止するのにもっとも適した方法です。
では、具体的に何を食べれば良いのかについて、いくつか紹介していきます。

二日酔い予防・防止に効くのは「脂肪」

なぜ脂肪が良いのか

二日酔い予防・防止に効くのは「脂肪」
様々な食材の中で、二日酔い予防、防止に最も効果が高いのは「脂肪」です。
脂肪は胃の中ではほとんど消化・吸収されず、その下の十二指腸ではじめて消化され始ます。 また、他の食品と比較しても吸収に長い時間を要します。

その結果、アルコールの胃での吸収を大幅に防ぎ、また腸での吸収速度をゆっくりにすることから急激な酔いを防止する効果に優れています。

地中海ではスプーン1杯のオリーブオイル、ロシアではバター

脂肪分の多い食品
二日酔い予防・防止策として、飲酒前に空腹を減らすのは万国共通ですが、食べるものはそれぞれ国よって異なります。
ヨーロッパの地中海で飲酒前にスプーン一杯のオリーブオイルを飲むという習慣は世界中で有名となった二日酔いの予防・防止方法です。
また、ロシアでは飲酒前にバターやサワークリームを食べ二日酔い予防をすることが広く知られています。

これら脂肪分を飲酒前に軽く取ることで二日酔いの予防に大きな効果があるとされています。
飲酒前だけでなく、飲酒中に脂肪分の多いナッツ類を取ることも二日酔いの予防・防止に大きな効果があります。 (二日酔いを防止する飲酒中の食べ物については二日酔いを予防する食べ物をご参照下さい。)

直前でもサラダで二日酔い予防

脂肪分の多い食品
事前に食事を取ることができなかった場合でも、 乾杯の前にサラダ(ドレッシングをたっぷりかけたもの)をとったり、ナッツ類、スプーン一杯のゴマを食べることで 二日酔いの予防・防止に効果があります。
サラダのドレッシング(ノンオイルを除く)には十分な脂肪分が含まれており、二日酔い予防・防止には効果的です。

脂肪分が多く二日酔い予防・防止に効果のある食品
オリーブオイル(油) 100g バター・マーガリン 80g くるみ 68g
マカダミアナッツ 76g フレンチドレッシング 20~40g サウザンアイランドドレッシング 20~40g
※食品100g中

飲む前に牛乳は二日酔い予防・防止には効果なし

飲む前に牛乳は効果なし
お酒を飲む前に牛乳を飲んでも二日酔いの予防・防止にはほとんど効果はありません。
理由は上記食品と比較すると脂肪分が4%程度しか含まれず、胃や腸でのアルコール吸収を防ぐ効果がほとんどないためです。
牛乳のその他成分を二日酔い対策で考えると血管を収縮する作用が含まれるため、二日酔いのズキズキ頭痛に効果はありますが、 飲酒前に飲んでも効果はありません。

そのため、飲酒前の牛乳は単純に空腹を防ぐことにとどまり、他の食べ物を食べて空腹を防ぐことと大差はありません。
お酒を飲む前に牛乳を飲むことを勧められることが多かった理由は、 昔の日本においては脂肪分を含む食品が少なかったことに由来します。
現在のように比較的何でも手に入りやすい時代だと、飲酒前の牛乳は二日酔い予防・防止には効果が高いとは言えなくなっています。

脂肪分を取りたくない場合は緑茶がオススメ

飲む前に緑茶
二日酔いは予防したいけれど脂肪分は太るから取りたくないという人の場合は緑茶がオススメです。
緑茶にはカテキン(フラボノイドの一種)が含まれ、アルコールなどの栄養吸収を阻害する効果があります。
このカテキンに目をつけたのが花王のヘルシアです。
花王のヘルシアは350mL当たり540mgの高濃度茶カテキンが含まれており、二日酔い予防・防止には非常に優れています。
但し、高濃度茶カテキンの取り過ぎは海外でいくつかの肝機能障害の症例がでているため、取り過ぎには注意が必要です。
また、煎茶、玉露、抹茶にはカテキンは含まれないまたは微量のため、二日酔い予防・防止には効果がありませんのでご注意下さい。

飲酒前の二日酔い予防に向く栄養ドリンク

二日酔い予防製品は非常にたくさんありますが、コンビニなどで売られているドリンク剤は大きく2種類に分けられます。
アルコールの分解を促すタイプとアセトアルデヒドの分解を促すタイプです。
(アルコールやアセトアルデヒドについては肝臓のアルコール分解の仕組みをご参照下さい。)

飲酒前に飲む場合、アルコールに相当弱い場合や連日の飲酒で肝臓が弱っている場合を除き、アセトアルデヒドの分解を促すタイプのドリンク剤が良いでしょう。
アルコールの分解を促すタイプのドリンク剤を飲むとアルコールにより高揚している時間が短くなり、アルコールそのものの量が増えてしまう可能性があるからです。
アセトアルデヒドの分解を促す二日酔い予防薬については、二日酔い予防薬の比較をご参照下さい。

飲酒中の二日酔い対策 3つのポイント

そもそも付き合いで飲みたくないお酒を飲む場合を除き、アルコールのゆっくりとした吸収やアセトアルデヒド対策は飲酒そのものを楽しみながら、アルコール量を減らすこと主眼を置いた二日酔い予防策となっています。

また、飲酒中にもいくつかの二日酔い対策のポイントがあります。
飲酒中の二日酔い予防対策については以下をご参照下さい。


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