二日酔いによる吐き気と治し方

二日酔いによる吐き気と治し方

二日酔いによる吐き気はいくつかの原因があります。
最も多い原因はアルコールによる胃酸過多が原因です。
アルコールは胃酸の分泌を促すため、胃酸過多の状態を引き起こし吐き気を引き起こします。

また、アルコール分解過程で生じる物質(アセトアルデヒド)や、 アルコールに含まれるメタノールが吐き気の原因になることがありますし、
非常に稀ですが、低血糖症も人によっては吐き気の原因になります。
吐き気の原因に関する詳細は二日酔い原因と治し方をご参照下さい。

ここでは二日酔いによる吐き気の治し方として、吐き気に効果のある市販薬とその効能、および二日酔いが原因の吐き気には効果のない市販薬、その他吐き気の原因や治し方について紹介しています。

吐き気を市販薬で治す場合

吐き気を市販薬で治す場合、大きく2つの薬があります。
一つは吐き気止めの薬、もう一つは胃炎を抑える薬です。

吐き気止めのお薬

吐き気止めの市販薬は通常、乗り物酔いのお薬として販売されています。
各メーカーより様々な吐き気止めが販売されていますが、 二日酔いの吐き気に効果的な市販薬は、吐き気そのものを抑える成分が最も多く入っているお薬が効果的です。

乗り物酔いに効果のある成分であるスコポラミン臭化水素酸塩水和物や塩酸メクリジンは二日酔いによる吐き気にはほとんど効果がありません。
いずれも薬局で販売されているお薬なので、お近くの薬局で探して見て下さい。

自分の症状にあった吐き気止めをお選び下さい。
分からない場合は薬剤師等に相談するのが良いでしょう。
※医薬品は「使用上の注意」をよく読んでお使いください。また、アレルギー体質の方は、必ず薬剤師、登録販売者にご相談ください。
お薬 メーカー 特徴 成分(1回分)と効能
サクロンQ 6錠
エーザイ
胃のムカムカ、吐き気、胃痛に早く効きます オキセサゼイン:5mg 胃粘膜に直接作用して胃痛、吐き気などの刺激をブロックします
アネロン ニスキャップ 6カプセル
エスエス製薬
どうしても外せない用事がある時に、眠気防止入り マレイン酸フェニラミン:30mg ヒスタミンの働きを抑え、吐き気やおう吐を起きにくくします。
アミノ安息香酸エチル:50mg 感覚神経を麻痺させ、胃の痛みや吐き気を抑えます。
スコポラミン臭化水素酸塩水和物:0.2mg 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減し、めまい・吐き気を抑えます。
無水カフェイン:20mg 覚醒作用と眠気を防止します。
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンb6):5mg 皮膚や粘膜を正常に保ちます。
マイトラベル錠
(1回3錠)
興和(コーワ)
吐き気を早く治したい場合に サリチル酸ジフェンヒドラミン:45mg 嘔吐中枢(おうとちゅうすう)にはたらきかけて吐き気・嘔吐を鎮めます。
ジプロフィリン:45mg 揺れによって起こる感覚の混乱を抑制し、乗りもの酔いを予防します。
スルカイン錠(※要処方箋) 吐き気を緩和し、胃の痛みを取る ピペリジノアセチルアミノ安息香酸エチル 胃の粘膜を麻痺させ痛みを緩和します。アルコールの刺激で出すぎた胃酸の分泌を抑えたり、胃酸を中和します。



その他、乗り物酔い(揺れや感覚の麻痺)を治す成分を中心とする吐き気予防薬です。
成分の特性上、二日酔いによる吐き気にはそれほど効果がないため、ご注意下さい。
お薬 メーカー 成分(1回分)と効能
センパア
(1回1錠)
大正製薬
塩酸メクリジン:25mg 自律神経や嘔吐中枢の異常な興奮を抑えます。
スコラボミン臭化水素酸塩水和物:0.25mg 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減し、めまい・吐き気を抑えます。
トラベルミン1
(1回1錠)
エーザイ
塩酸メクリジン:50mg 自律神経や嘔吐中枢の異常な興奮を抑えます。
スコポラミン臭化水素酸塩水和物:0.25mg 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減し、めまい・吐き気を抑えます。
アーター錠
(1回1錠)
協和薬品工業
塩酸メクリジン:25mg 自律神経や嘔吐中枢の異常な興奮を抑えます。
スコポラミン臭化水素酸塩水和物:0.25mg 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減し、めまい・吐き気を抑えます。
無水カフェイン:40mg 覚醒作用と眠気を防止します。
レジャール錠
(1回2錠)
日邦薬品工業
スコポラミン臭化水素酸塩水和物:0.2mg 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減します。
ジプロフィリン50mg 揺れによって起こる感覚の混乱を抑制し、乗りもの酔いを予防します。
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg 脳の興奮を抑え、痛み等を感じる感覚を鈍くします。
ピリドキシン塩酸塩((ビタミンb6))10mg 皮膚や粘膜を正常に保ちます。
セイブ錠
(1回2錠)
小林薬品工業
スコポラミン臭化水素酸塩水和物:0.24mg 乗りものによって起こる感覚の混乱を軽減し、めまい・吐き気を鎮めます。
クロルフェニラミンマレイン酸塩:4mg 脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減します。
無水カフェイン:15mg 覚醒作用と眠気を防止します。

胃炎を抑える薬

胃酸過多や胃炎を抑える市販薬はガスター10が最も適しています。
他の胃腸薬と異なり、胃酸過多を抑える成分のみが入っている為、二日酔いによる胃酸過多の吐き気には効果的です。
ただし、二日酔いよりも飲酒による食べ過ぎが原因の吐き気は他の胃腸薬の方が効果があります。
お薬 メーカー 特徴 成分(1回分)と効能
ガスター10 12錠
第一三共ヘルスケア
胃痛、胸やけにスーッとよく効ききます ファモチジン:10mg 胃酸の出過ぎをコントロールします。
大正胃腸薬K 錠剤 110錠
大正製薬
胃酸過多や吐き気に効きます 安中散(漢方)700mg 胃腸の働きを活発にし、胃の痛み、胸やけ、胃もたれ、食欲不振、吐き気などを改善します。
芍薬甘草湯エキス末 170mg(漢方) 胃腸の緊張を和らげ胃痛を鎮めます。

民間療法で吐き気を治す

吐き気が酷いのに、近くに薬局がない場合や時間が早くまだ開いてない場合でも、家にあるもので少しでも吐き気を抑えることができます。

生姜

古くから船酔いの民間療法として効果があり、現在でも多く利用されているのがしょうがと重曹です。
しょうがは擦ってしょうが汁にしたり、スープに入れても美味しく頂けます。
お寿司屋さんに置いているガリや紅しょうがでも十分効果がある為、少しかじって様子を見るのも良いでしょう。

重曹

生姜以外では重曹が吐き気には効果的です。
重曹は体内で酸性度を低減し、消化不良、胸焼けを抑え、また、痛風の尿酸結晶溶解にも効果があります。
作り方は水200mlに小さじ1~2杯程度が適量です。

これらが家になく、吐き気が治まらない場合はとりあえず水を飲んで様子を見て下さい。
水を飲むことで胃の中の酸性度が低減し、症状が和らぎます。
また、水は二日酔い予防・回復の最大の栄養素です。
水がなぜ二日酔いに効果があるのかについては二日酔いに効く食べ物一覧をご参照下さい。

また、コーヒーや刺激物など胃酸の分泌を促す食べ物は避けるようにしましょう。
生姜 重曹
吐き気を抑える生姜 吐き気を抑える重曹 吐き気を抑える水



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