二日酔いを食べ物で予防する
二日酔いを予防するには、飲酒中の食べ物、おつまみは非常に重要です。空腹のままお酒を飲み続けると二日酔いになりやすいですが、 飲酒中に何を食べるかも、二日酔いに大きな影響を与えます。
ここでは二日酔いを予防する食べ物について、 血中アルコール濃度を下げる食べ物、アルコールの代謝を促す食べ物、アセトアルデヒドの分解に寄与する食べ物など、 いくつかのカテゴリーに分けながら、食べ物の栄養素とその役割などについて紹介しています。
※飲酒中に避けるべきことについては、二日酔い防止策 これは避けるをご参照下さい。
※どのようなお酒を飲むべきかについては二日酔いしにくいお酒の選び方をご参照下さい。
二日酔いを予防する食べ物一覧
役割 | 栄養素 | 代表的な食べ物 |
基本(脱水防止、栄養補給) | 水分 | ミネラルウォーター、お茶 |
塩分+水分+@ | トリッパのスープ、お鍋、味噌汁 | |
アルコールの吸収を遅くする | 脂肪 | マカダミアナッツ、くるみ、レーズンバター |
主にアルコールの代謝を促進 | ビタミンB15 | かぼちゃの種、ごま、玄米 |
クルクミン | ウコン | |
肝機能強化 | スルフォラファン | アブラナ科の野菜(ブロッコリー、カリフラワーなど) |
主にアセトアルデヒドの分解を促進 | アラニン、グルタミン | しじみ、はまぐり、あさり |
タウリン | タコ、イカ、貝類 | |
オルニチン | ゴマ、ナッツ、鶏肉(胸) | |
Lシステイン メチオニン |
ひまわりの種、卵、豚肉(赤身) | |
セサミン | ゴマ |
二日酔い予防に効く最高の食べ物は水分
二日酔いを予防するために最も基本となる食べ物は水分です。脂肪や水分で体内アルコールを調整することは楽しくできる二日酔い対策の一つです。
飲酒中や飲酒後にも積極的に取るように心掛けましょう。
楽しくできる二日酔い対策については楽しく二日酔い対策をご参照下さい。
また、アルコールには利尿(尿の発生を促す)作用があり、飲酒により飲んだ水分以上の水分が尿と汗により失われます。
(簡易的な喪失水分量については二日酔いを防ぐアルコールに関する計算をご参照下さい。)
その結果、脱水、頭痛、疲労、倦怠感などの二日酔いの症状を引き起こします。
これらを防ぐため、飲酒中にチェイサーを用いたり、飲み方を水割りやお茶割りにしたり、寝る前に多くの水分を取るようにして下さい。
最低でも500mlの水を寝る前に補給することで多くの二日酔いの症状を予防または、和らげることができます。
また、以下に紹介する二日酔い対策をいくら行ったとしても、水分補給が十分でないと二日酔いの症状が出ることがあります。
血中アルコール濃度を下げる二日酔い予防
塩分+水分+@を多く含む食べ物
お酒を飲みながら、チェイサーなどの水を飲むことに抵抗のある人でも、塩分を含むスープ類やお鍋などにすると
意外と抵抗なく食べることができます。
水分そのもので血中アルコール濃度を薄める効果はありませんが、水分とお酒を一緒に取ることで
アルコールの吸収を穏やかにし、結果的に血中アルコール濃度を下げることができます。
また、水分以外にアルコールで失われる栄養素の代表は塩分です。
(アルコールで失われる栄養素についてはアルコールで失われる栄養素をご参照下さい。)
塩分と水分を飲酒中に補給することで脱水症状が原因の二日酔いを防ぐことができます。ヨーロッパでは二日酔い予防の代表的な食べ物の一つにトリッパのスープやブイヤベースなどがあります。日本では具とダシを同時に楽しめるという意味ではお鍋です。お酒の〆にラーメンや味噌汁、わかめスープが美味しく感じるのも失われた水分と塩分を体が欲しており、二日酔い予防に効果があるからです。
アルコールの吸収を遅くして二日酔い予防
脂肪を多く含む食べ物
二日酔い予防に脂肪は大きな効果を発揮します。
脂肪分を食べることで、血中アルコール濃度のピーク時間を遅らせたり、血中アルコール濃度そのものの低下にも効果があります。
(脂肪による二日酔い予防や脂肪を多く含む食べ物の詳細については二日酔いの予防・防止は飲む前からをご参照下さい。)
バーなどのおつまみ、チャームがナッツ類やレーズンバターなど脂肪分の多い食べ物が多いのも二日酔いや悪酔いをせず、ゆっくりとお酒を飲んでもらいたい、とうい店側の配慮からです。
アルコールの代謝を促して二日酔い予防
食事や飲酒の終盤にはアルコールを積極的に代謝・分解して酔いを覚ますのが効果的です。また、飲み過ぎたかなと思ったらこれらの食べ物を積極的にとって少し酔いを覚ましましょう。
ただし、食事の前半からこれらの食べ物を積極的に取り始めるとアルコールの量が増えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ビタミンB15を多く含む食べ物
ビタミンB15(ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン)は肝臓の働きを高める効果のある代表的な栄養素です。
肝臓疾患の治療薬の成分としても使われ、急性肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝障害などに使われています。
ビタミンB15を含みながらセサミンや脂肪分も多く含むゴマ(脂肪分54%)は二日酔い予防に非常に効果のある食べ物と言えます。
ビタミンB15を含む二日酔い予防ドリンクとしてはヘパリーゼが有名です。
クルクミンを多く含む食べ物
クルクミンはウコン特有の成分です。
ウコンはショウガ科の多年草で、英語名やスパイスとして使われる場合はターメリックと呼ばれます。
クルクミンは肝臓の機能回復や肝臓のデトックス効果を高める働き、胆汁の分泌を促す働きがあり二日酔いを予防します。
ウコン以外に食べ物に含まれない為、飲酒中に手軽に摂取するのは難しいかもしれません。
クルクミンの効果、効能のより詳しい説明についてはクルクミンをご参照下さい。
肝臓機能を強化して二日酔い予防
スルフォラファンを多く含む食ベ物
スルフォラファンは体内に取り込まれた毒素を無毒化する解毒酵素が多く含まれています。
もともとはガン予防として注目された成分ですが、肝臓の解毒力を高める働きや、肝機能の向上にも寄与することから二日酔い対策に効果があるとされています。
スルフォラファンを10倍以上高濃度化したブロッコリースプラウトは手軽にスルフォラファンをとれる食べ物で、二日酔い予防にも効果を発揮します。
ミネストローネなどのスープにして取ると一層効果的です。
スルフォラファンの効果、効能のより詳しい説明についてはスルフォラファンをご参照下さい。
アルコール+アセトアルデヒドの分解を促進して二日酔い予防
アルコールとアセトアルデヒドの両方の分解に寄与する食べ物です。アセトアルデヒドは百害あって一利なしです。
飲酒中から常に積極的に取得し分解するようにしましょう。
しじみを中心としたアラニンはアセトアルデヒドの分解とともにアルコールの分解に優れているため、酔い加減やタイミングを見ながら取得するようにしましょう。
タウリンやオルニチンはアセトアルデヒド分解効果以上に疲労回復効果に優れているため、寝る前に取るのがオススメです。
また、Lシステインやセサミンはアセトアルデヒドの分解に優れた効果を発揮します。
アラニン、グルタミンを多く含む食べ物
二日酔いに効く食べ物としてシジミで有名になったアラニンです。
しじみ、あさりといった魚介類に多く含まれます。
アラニンとグルタミンは肝臓の活動を活発化し血中アルコール濃度の低下、体内アルコール滞留時間を減少させます。
ラットを使った実験では実に1.3倍の促進効果があり、アセトアルデヒドの低下も顕著に現れました。
アラニンの効果、効能のより詳しい説明についてはアラニンをご参照下さい。
タウリンを多く含む食べ物
タウリンは胆汁の分泌を促す働きや、肝臓の酵素を助ける働きでアルコールの分解を早め二日酔いを予防してくれます。
また、アセトアルデヒドの分解、処理を助ける働きもあります。
魚介類に多く含まれるため、〆にお寿司などの食べ物をとるのも良いかもしれません。
ただし、水分補給のため、お味噌汁などと一緒に頼むのが効果的です。
タウリンの効果、効能のより詳しい説明についてはタウリンをご参照下さい。
オルニチンを多く含む食べ物
オルニチンは肝硬変、腎臓障害、肝性脳症など肝臓の活性化、損傷の修復に利用される栄養素です。
シジミが二日酔いに良いとされる理由の一つにシジミに含まれるオルニチンが肝臓の働きをサポートし、アルコールやアラニンがアセトアルデヒドの分解を促進するからです。
オルニチンの効果、効能のより詳しい説明についてはオルニチンをご参照下さい。
Lシステイン、メチオニンを多く含む食べ物
ハイチオールCで注目されるLシステインとLシステインの元となるメチオニンは
肝臓の毒素や老廃物の排除、代謝を促進し、二日酔いを予防する働きがあります。
最近は特にLシステインのアセトアルデヒドの抑制効果が謳われることが多くなり、注目されています。
特に卵は二日酔い予防だけでなく二日酔いの症状を和らげる効果があり、様々な場面で使われる食べ物です。
Lシステインの効果、効能のより詳しい説明についてはLシステインをご参照下さい。
また、ハイチオールCについては二日酔いにハイチオールCをご参照下さい。
セサミンを多く含む食べ物
セサミンはゴマに含まれ、ラットを用いた実験では、セサミンによりアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の一部を3倍以上発生させ、
アセドアルデヒドの分解を促進し、二日酔い予防に大きな効果がある食べ物です。
また、肝臓そのものの機能を高めたり、肝臓の活性酸素を減少させる働きもあります。
ただし、ゴマはアルコールの分解に寄与するビタミンB15やアルコールの吸収を阻害する脂肪も多く含むため、少し注意が必要です。
セサミンの効果、効能のより詳しい説明についてはセサミンをご参照下さい。
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